点滴も終わり
その晩。
あまりに昼寝すぎたので、夜の睡眠はうっすらしたもので、なんとなく目が覚めたり寝たり。
そんな中、向かいのベッドの人が何度かナースコールを押してる様子が伺えました。
どうやらそちらは術後気持ち悪さが続いてるようで、たぶん酔い止めを処方されてるのかな?途中膿盆のやりとりもしてたみたいだから、けっこう辛そうだなぁって。
一方ワタシの方は、その晩はほとんど具合の悪いところはありませんでした。うっすらではありますが、朝までしっかり寝ることが出来たので、朝食昼食をしっかりいただきます。
午後になって看護師さんが来ます。
点滴は知らぬ間に終わっていて、小さな痛み止めの薬だけが残っていました。
けどもう別にこれくらいなら痛み止めもいらんやろ、と自己判断したのでその旨お伝えしたところ、
「そうですか?それは素晴らしい。それじゃあ点滴はずしちゃいましょうか?」
と言われたので、点滴から離脱するのもけっこう早い方だったのかな?
なんせトイレに行くにいも点滴コロコロを連れていくのも大変なので、早くはずせてラッキーでした。
ワタシの部屋は廊下の突き当りから2つ目の部屋でした。
長い廊下の逆側の突き当りに、デイスペースというちょっとしたお茶飲み場があって、そこにいけばほうじ茶のディスペンサーがありました。
病院内はかなり冷房が効いていたので、あったかいの飲みたいなぁと思い切って歩いて行くことにしました。
さすがにまだよちよち歩きにはなりますが、実際体を動かさないとどの程度大丈夫なのかが認識できないという気持ちもあって、けっこう自分にムチ打ってましたね。
多少のへその引きつりは気になりますが、もう誰にも頼らず往復することが出来ました。よしよし、と。
病室に帰ると、またも向かいのベッドの方が、
「痰が絡んでしょうがないんですけどぉ。」
と弱弱しい声でナースコールを押してました。いやぁ、大変そうだなぁって。
ワタシの場合はおなかの張り
と、思っていたのですが。ワタシにも術後の試練がやってきました。
夕食を食べる前から若干おなかの張りを感じてはいたのですが、食べ終わったら食べたまんま、おなかがパンパンに膨れ上がってしまいもんのすごい膨満感。おかげでへそがいででででって。
そうだ。考えたら術後、固体物を出してないな。腸の動きがものすごく悪くなってることに気づきます。
夕方のお薬を持ってきてくれた看護師さんにそのことをお伝えすると、整腸剤をすぐに出してくれました。けどおなかの張りは、ここから退院するまで完全には収まることはありませんでした。
翌日もおなかの張りに悩まされたワタシは、それこそ午前中からがっしがしと病棟内の廊下を歩き回っておりました。体を動かすことでなんとか改善しないかと。こちらとしては背に腹は代えられぬという状況です。
けど看護師さんたちからすると、そのように自分の出来ることを積極的にやってる患者は自然と目にとまるんでしょうね。何人かの方が「ばる郎さん、頑張ってますね。」と声をかけてくれました。
担当した先生が、朝晩かならず顔を見に来てくれました。これもびっくりしました。お忙しいだろうに。
そしてやはり、がしがし歩き回ってるワタシのことは聞いていたようで、
「動いてるのはいいですね。すごいです。」
とお褒めの言葉をいただきました。
整腸剤がなかなか効かないというとすぐに漢方薬を出してくれまして、そこでようやく少し改善することが出来ました。
やはり手術なんてすれば、体のどっかに負担がかかるのは当たり前ですね。ワタシも腹の張りにはけっこう苦しんだけど、どうやら周りを見ると相当元気な術後患者だったように思います。
術後の苦しみと運動習慣
ワタシが手術した次の日に、窓側のベッドに入院してきた方がいました。
退院日は一緒だったので、たぶんもうちょっと簡単な手術を受けられたんだと思うのですが、その人は術後目覚めてからずっと「足が痛い~、痛くて動けない~。」とうめき続けていました。
ワタシたちと同じように、手術日当日の午後にはもう歩くように促されていたのですが、ずっと痛い痛いを繰り返してベッドから起きようとしないので、最終的には絵に描いたように看護師さんが語気を荒げて、
「もうね!起きないと!歩かないと治らないからっ!さ!立って!!」
と、半ば強引に起こされておりました。いやぁ、大変だ。
無理くり歩かされてからは、なんとか自分で移動出来るようにはなってたようだけど、退院日が一緒だったので、清算する窓口でその様子を後ろから眺めていたのですが、終始うつむいた状態で具合悪そうにしてました。かわいそうとは思ったけど、手術後そんなに具合悪いってどんな手術したん?って。
予想するに足をずっと固定されての手術だったんだろうなって。それでたぶん股関節が固くて痛んでるんじゃないかなって。勝手な予想ですけど。
あまり偉そうにするつもりではないのですが、つくづく体を動かす習慣がついてて良かったなぁというのも今回思いました。
実は3年ほど前。ワタシは17キロのダイエットに始めて成功していました。
30歳の時にちょっと精神的に追い詰められることがあり、過食症のようになってあれよあれよと太ってしまいまして、それから約18年ほど75キロ前後という暗黒肥満時代を過ごしました。
何をしても痩せることが出来ず、もう一生このままデブ人生なのかと半ば諦めてもいたのですが、あるきっかけがあり、3年前の冬からウォーキングを始めました。その後、糖質制限や筋トレなどにも挑戦し、約半年でなんとか人並の体重まで落とすことが出来ました。
当時は「痩せた」という事実が一番嬉しかったのですが、今にしてほんとに良かったと思うのは、この運動習慣が身についたこと。
今ではもうウォーキングは趣味の域にまで達しておりますので、退院した後10日目ほどから、短い時間からウォーキングを再開しています。
股関節の運動にしては、youtubeで深井さんというトレーナーさんの動画をとても楽しく見ながら一緒に運動させてもらっています。これがま~ゆるくて楽しい♪
周りの人たちを見てて自分が比較的早い段階から元気に過ごせていたのは、やはり体を動かす習慣があったことが大きな要因だろうと考えます。
こうやって突然病気で入院が必要になってくる年代だからこそ、自分の体力作りには気を配りたいものだとさらに思わされる経験でした。