ひとりなのはワタシだけ
日曜なので、裏側の救急外来から病院内に入ります。
すぐに受付の方から名前を確認されて、待合室で待つように促されます。
すると、すでにその日入院するであろう方たちが何人かいました。
そしてちょっと驚いたことに、ほとんど、いやワタシ以外は皆さんご家族さんが付き添いでやってきております。これ、マジ驚いた。
ある人はお母さんなのかな?ある人はダンナさんらしき人。
う~~~ん、そうなんだぁって。もうそういうの、解禁なんだねぇ。
ほんのちょびっとだけ寂しかったりして(笑)。マジちょっとだけね。
けど、やっぱり付き添いなんて頼まなくて良かったです。
家族の方たちは病棟には入ることが出来ず、病棟前のエントランスまでとなってましたので、付き添いの距離、わずか一階から該当階のエレベーター前まで。
そんなら一人の方がやっぱ気楽だったよなって。
待合室で、事前にコロナに感染してないかどうかのスクリーニングシートの提出を求められ、一通りの問診が終わった後、病棟へ上がるように指示されます。
病室は前述したように、壁のある4人部屋。
https://seppukugohasan.com/2023/08/16/pajamas/
思ってた以上に静かでちょっと緊張。壁がある分プライバシーは確保されますが、閉塞感も同時にありました。けど予想よりも居心地はいいのでほっとします。
おことわりされたチョコレート
ワタシの担当となる看護師さんが、ひとしきり入院生活の説明やら記入する書類などを渡されます。それじゃあと出ていかれようとしたので、ここですかさず用意した菓子折りをお渡ししようとすると、
「あ、これは退院してご家族と召し上がってください。」
とやんわり断られました。
お~~~~!!そっちか~~~~!!!
時代は変わったんですね(笑)。
昔の慣習は、今の時代には通じなかったか~。
病院によっては、患者からのこういうのは受け取らないというのもどっかで見たこともあるので納得はします。が、これ、また持ち帰るの?めっちゃ荷物だなぁ( ;∀;)。。。
ま、受け取らないのは仕方がないので、ロッカーの上にしまい込み、荷解きを始めました。
下剤の味
それからも、記入した書類に確認に来られたり、採血・血圧・熱の確認など、わりとひっきりなしに看護師さんが来られるので忙しく過ごします。
自分の前のベッドは、先ほどダンナさんと思われる方と入院の受付に来られてた方です。
なんとなく、自分と同じような説明・看護師さんの出入りなので、どうやら同じ手術なのかなぁと思ってました。
その人は15時にすでに下剤の処方がされてます。
そうだ!下剤だ!!
ワタシは比較的便通がいい方なので、下剤を飲むのも初めての体験です。
予習はしてきたのですが、夜中に便器を抱えるようになってしまった…的な記事も拝見していたので、ちょっとドキドキです。
16時になり、ワタシの担当さんも下剤を持ってきました。
「下剤飲んだことあります?」
と聞かれ、ないと答えると、
「私もないんですけど、ちょっと甘いらしいですよ。」
と、味についての安心感をもたらしてくれました。
30mlくらいの下剤をグビッと飲んでみると確かにちょっと甘い味。これまた「苦くて鼻をつまんで飲んだ」というような感想を持った先駆者様のブログを読んでびびっていたのですが、その苦しみはなくて良かったなぁと。
初めての病院食
16時に薬を飲んで。
いつ急な便意にやられるかとそわそわしていたのですが、あっという間に18時、夕飯の時間になりましたので初めての食事を取りました。
メニューは犠牲豆腐・ふろふき大根・春雨サラダ・キゥイ、そしてご飯はたぶん180gぐらいあったんじゃないかな?めちゃくちゃ多い。
なぜこんなにきっちりメニューを覚えてるかと言いますと。
持ち物のところで雑記帳と書いたのですが、これ、持って行ったからなんです。
https://seppukugohasan.com/2023/08/21/belongings/
入院のしおりで見たのかな?
事前に「入院中、病院内の施設や従業員などの撮影は一切ご遠慮ください。」との注意書きを見ました。
ま、病気療養中の方々のプライバシーももちろんありますし、当然のことと思います。
けど、昨日まで作る側にいた自分が、たった一晩経って提供される側になったというのをしみじみと思いながら、なんかに残しておきたいと思いまして、下手ながらに絵日記を書いてみました。
これが地味に楽しかったですね。
退院した今読み返してもおもしろいし、なんならちゃんと全部の日、全部のメニュー書けば良かったなぁと思い返します。
病院食というものを始めて食べて、ちょっと驚いたことがあります。
それは、汁物が必ずつくわけじゃないってこと。
ワタシは42歳の時にデイサービスの厨房で働くようになり、そこから8年。
それとこの一年は老人ホームで朝・昼の食事を作っていたのですが、汁物がない日というのは老人ホームでカレーを出す日だけ。ほとんど毎食汁物はあって当たり前に過ごしてきました。
お茶はついてたのですが、なんとなく、汁物がない食事というのがワタシにとっては違和感がありました。ま、それもワタシの常識と世間の常識の違いでしょうかね。
ふたたび長い夜 アプリ「スリープサウンド」
夕飯を取って、またも体温・血圧を看護師さんが計りに来ますが、それ以降はもう何をすることもありません。いつもなら一杯ひっかけてる時間ですが、佐藤さんから聞いた通り、入院してる緊張感からか、酒飲みたいなんて一つも思わない不思議。若干アル中気味のワタシが(笑)。
持ち込んだWi-Fiのおかげでyoutubeを見ることが出来ますので、そんなんで時間を潰すこと数時間。
その間向かいのベッドの方が、何度かトイレに行っている様子です。どうやら下剤が効いてきたんでしょうか。
それに引き換え、ワタシの方はまったくそんな気配もなく。
看護師さんから6時間から8時間くらいかかる人もいると聞いていたので、この時はまぁワタシの場合は時間がかかるほうなんだろうと思ってはいましたが、就寝してからモヨオしたらやだなぁ、という不安は抱えておりました。
夜21時。
家にいればすでに就寝してる時間なので少々眠気があったのですが、病院の消灯は22時。なのでその間、部屋の電気は点いたままです。
音は気になるだろうと耳栓は用意していたのですが、そうか、アイマスクも必要だったか。
と、思いはしましたが後の祭り。
自分が思ってる以上に明かりがついてると寝れないことを知りました。
そんなわけで就寝時間の10時になると、逆に眠気が覚めつつあって。それでも前日も3時間ほどしか寝てないし、なんなら明日は手術だし。どうにか寝ないとまずいでしょって、目をつぶって横たわってなんとか寝てみます。
が。
どうにも寝れません。どうにもこうにも眠れません。
困った。マジ困った。
看護師さんから、眠れないようなら睡眠薬出せますとは聞いていますが、下剤が効いてきて眠剤で寝てたら大惨劇起きね?というしょうもない不安もあり、なんとかここは自力で寝なければならず。
と、しばし考えあぐねていたのですが、一つ思いつきました。
前にたしか、スリープサウンドというアプリを入れていたことを思い出しました。
それこそいつ入れたかも忘れていたのですが、こちらは睡眠時にリラックスできるように、波の音や雨、森林とか小川とかの音を、設定した時間のあいだ流してくれるというアプリで。
ここ数年はないのですが、もともと目が冴えて眠れないというようなこともあったので、その頃入れたんでしょう。今回は、これに助けられました。
波の音や雨の音、何種類か試してみて、なんとかリラックスできそうな音を見つけてワイヤレスイヤホンで聞きます。いやぁ、用意しといてほんと良かった!
たぶん1時間以上格闘していたと思うんだけど、なんとか一度は睡眠状態に入りました。
それでも眠れず思わず…
が。
やっぱり眠りが薄いまま。
目が覚めるとまたもや1時。あちゃ~、昨日目が覚めてからちょうど24時間だねぇって。
起きたついでにトイレに入りますが、やはりまったく便意がありません。看護師さんの予告時間8時間も超えてます。おかしいなぁ?昼の天ぷらも、まだ腹の中に鎮座されてるだろうに。
夜中の0時からは、指定されたアクアサポートのゼリーとOS1を朝までに飲むように言われていたので、とりあえずそれを少し飲んで、またベッドに横になりました。さすがにもう少しだけでも寝とかないと。
なんとかもう一度アプリを聞きながら目を閉じてうつらうつらとはしますが、完全なる睡眠に入ることが出来ません。
ちょっと寝ては覚め、ちょっと寝ては覚め。。。
いよいよもう無理だと、スマホを見ると朝の3時。いやぁ、まだ皆さんには夜中よね、夜中。
手元に残ったOS1も飲み干してしまいましたが、相変わらず便意は来ない模様。
水分足りないから出ないのかなぁと思い、思わず水を飲んでしまったのですが、飲んでしばらくして『おやぁ?水は何時までいいんだっけ?』と思い返して治療計画書を再読すると
「夜中の0時以降、禁飲食。氷やガム・アメも食べれません」
やべぇ!がっつり水飲んじゃったよ!!
超焦って自分で飲んだ分量を確認すると、たぶん150ccくらいは飲んだんじゃないだろうか。軽くコップ一杯って感じ。氷で言ったら・・・5個分くらい?(笑)。
やべぇなぁ。これバレっかな?
いい大人ですが、バレなきゃいいやっていう小賢しい考えがすぐに頭に浮かびます。はは。
ま、どっちにしたってもう飲んじゃった以上しょうがないっすよね。
朝になってからスマホで調べたのですが、手術前に水分制限がかかるのは、全身麻酔時の誤嚥性肺炎を防止するためだということでした。
だとしたら、OS1は朝の7時までに飲むような指示がありましたので、夜中3時の水分については、まぁいいんじゃね?けけけっ。
という、ふざけた中年患者です。
さて。朝の光も完全に入り、周りの物音もし始めた6時。
いよいよ手術の準備が始まります。