去年の年末のことでした。
同僚のMさんという方が、急遽のお休みをしました。
Mさんは、なんと78才になる遅番のパートさん。早番だったワタシとは一緒に仕事をしたことはないのですが、ワタシが帰る時間に入れ替わり出勤になるのでちょこっとした会話はしていました。
上司にどうしたのか聞いたところ、
「いや、詳しくはわかんないんだけど、もしかしたらそのまま入院かも…とか言っててさぁ。」
え~って。どんだけ深刻な状況なの?って
次の日もワタシは仕事だったのですが、昼頃Mさんから電話が入りました。
心配していましたが、お声は元気には聞こえます。
Mさんがお休みになったので、ワタシが残業したことに対して、わざわざ申し訳なかったねぇって感じの連絡でした。
どうなったのか具合が心配だったので尋ねたところ、しばらく前からどうも具合が悪くて近くの総合病院の婦人科にかかっていたんだそうで。
子宮内に水が溜まってる様子だというのですが、それ以外特に異常がみられないと言われ、2か月後また来てください、2か月後また来てください、と繰り返していたんだけど、昨日、痛みとともに出血があったので、それで慌てて病院に駆け込んだというのです。
実はその病院。
ワタシが40過ぎの時、最初に筋腫の診断を受けた病院で。
家から最寄りだったのもあり、実際手術となるならお世話になろうかと考えていた、まさにその先生が今回のMさんの担当だったのです。
「病院行って検査したらねぇ、先生慌てちゃって。
もううちじゃ診られないからって紹介状もらってすぐに〇〇総合病院に行ってMRIで検査したのよ~。そしたら水とは別に、卵巣に腫瘍があるって言われて。
診てくれた先生が『大きい病院行かれてたのにねぇ。』ってなんだか呆れられちゃって~。」
お年だからか穏やかに話されてますけど、けっこうな医療事故っぽい話じゃね?と、こっちがびっくり仰天です。
聞けば夏頃から行ってたそうなので、半年近く放置してしまった結果に。いやぁ、恐ろしい話だわ。
詳しい検査結果が出てからということでしたが、たぶん手術するのは間違いないみたいで。
「ま、それ次第だけどね。急にいなくなっちゃうかもしれないから、その時はみんなに迷惑かけちゃうのは申し訳ないんだけど。」
淡々と話すMさん。
いやもうそのお年で、十分やってきたでしょうって。体大事にしてくださいって言いました。
ワタシの筋腫の話もちょうどしばらく前に話してたところだったので、もうまさにワタシにとってはタイミング良く?、Mさんのおかげで病院選択を一つ誤らずに済みました。
「ばる郎さんも、早いとこいいお医者さんにかかったほうがいいわよ。なんなら病院紹介しようか?」
とか言ってくれましたけど、いやいや、病院は医者の紹介じゃなきゃだめでしょ(笑)。
その後、年明けすぐにMさんは手術を受けることになりますが、子宮を取ってみたところ裏側の粘膜にガンが浸潤してる状態で、結果は『ステージ4』との診断になったそうです。
術前に何度も調べたそうなのですが、子宮って取ってみないとほんとにわからないことがあるんですね。初めて知りました。
ワタシの方と言えばその頃。
2週間ほどしか間を開けず、またも大量出血が続いてました。
若干動悸っぽいものも始まってきたので、血の巡りも悪くなってるのかなって。
いよいよワタシも真剣に考えなきゃと思ってた矢先のことでした。
ワタシ自身が言われたことを思い出します。
『筋腫があると一番心配なのが、もしガンが発生していたとしてもそれが検査でわからないという事態になることがあることです。』
これはもう、逃げてもしょうがない段階かもなぁ。。。
なんとか避けて通りたかったのですが、こんなタイミングでMさんの現状を間近で見たワタシ。やはりもう、決意の時なのだろうと。
有難く、バネにさせてもらって自分のことは決めないと、だな。
そう自分に言い聞かせて、ワタシは年明けすぐにクリニックに向かうことにしました。